先行して行われたリア及びサイドのハード化に続き、フロントバンパー、フロントフェンダー、ボンネットのハード化が開始。 ハードモデルが完成した後は、モデリングに使用されたウレタンの除去作業が全セクションで行われ、面出しの作業への準備作業が進められた。 前述したように本プロジェクトは量産製品ではない完全オートクチュールであり、ハード化されたパーツこそがそのまま製品となる。ウレタンの除去により軽量化されたパーツの表面にはサーフェシング用のパテが吹き付けられ、一時的に車両は白一色に統一された。 ハード化後の作業はとても地道で手間暇がかかる作業であり、上保社長よりハード化から面出しまでの工程の詳細をレクチャーして頂くと、車両の開発が高価である理由がとてもよく理解できる。 ウレタンでのモデリングが緻密な計算によって行われたため、面出しで必要とするパテの量は比較的最小限であり、ボディーの軽量化に繋がっている。後に御殿場での打合せで、面出しされたパーツの表面を触ってみるとそれは滑らかであり、且つ丈夫なものであった。サーフェシングパテを吹いた後の表面が凸凹であった事から想像すると、まさに職人技である。
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