2009年12月11日ついにサイドラインにメスが入り、造形が開始された。 しかしこのサイドラインがリア以上に難儀することをこの時は知る由も無かった。 初回の検討は同年12月17日で、形状的にはS900のサイドダクトを継承し、リアフェンダーにドアパネルが潜り込む抑揚を感じるデザインとなっていた。 ドアパネルには特別な思いがあり、エンジンチューンをやめてこちらを選択したくらい重要視していた。 それはサイドラインの肩の張り出しである。S900の場合なで肩であるためドアに厚みがあっても、重要な部分に肉が無い物足りなさを感じていた。 F40から続くFerrariのフラグシップカーには必ずシッカリとした肩が存在し、その肩こそが高級外国スポーツカー感を感じるため、今回のSchwarzerも肩の張り出しを最重要課題として重視した。 肩の出し方としては、S900の車幅を超えない前提で、物がのるくらいの平行域をもつ碇型で、ドアを開けた時には重厚感があり、しっかりコックピットを包んでる感じを表現したかった。 またドアノブに関してはS900やゼフィールの様に奥にある純正のドアノブでは、改造感が拭えないため、GT-Rのようなフラッシュサーフェス化もしくはドアの開閉スイッチを設ける事にして、ドアパネルはフラットな面のままにしてデザインを崩さないようにした。
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